UDトラックスは4月16日、国外最大市場である南アフリカに大型トラック「クエスター」を投入したと発表した。タイの工場から部品を輸出し現地で組み立てる。年内に周辺8カ国にも順次投入する。
南アフリカはUDトラックスの国外最大市場で年間販売台数は大・中・小型合わせて約3000台強。1962年の同市場への参入以来、約50年以上、現地の物流ニーズにきめ細やかに対応してきた。大型市場では、2002年に400馬力を超えるモデル(国内では当時の大型車「ビッグサム」に相当)を投入したのを機に、続く2012年の「クオン」で、ブランド力を確立してきた。
クオンはこれまで、海上コンテナ、石炭・鉄・クロムなどの鉱物資源、建築資材、木材、穀物、サトウキビなどの農産物などの、片道1000キロ程度の中距離輸送をおもに担ってきた。 南ア市場ではこうした従来からの輸送ニーズに加え、インフラや建設現場での需要が伸張して久しい。ダンプやミキサー、散水車などの車型でのクエスター投入で、こうした需要に応えていくと同時に、新興国が求める高い積載容量、様々な架装への対応能力、メンテナンスのしやすさ、オフロードでの頑強性能を実現して、中・短距離輸送での多様なニーズに柔軟に対応できる仕様を取り揃える。
組立部品(ノックダウン部品)はUDトラックスのタイ工場で製造・集約し南アに輸出。ボルボ・グループの現地工場で組み立てる。南アで組み立てた車両は、2015年以降、ジンバブエ、ザンビア、マラウイ、モザンビーク、ナミビア、ボツワナ、スワジランド、レソトといった周辺8カ国にも順次投入していく。