阪急阪神エクスプレス、トキ4羽を中国へ輸送

阪急阪神エクスプレスは3月9日に、トキ4羽を新潟県の佐渡トキ保護センターから中国へ輸送した。日本・中国両政府間の覚書に基づき、中国から供与されたトキから生まれた子の半数を中国へ返還することになっており、2002年3月の第1回返還以来、7回目となる今回は、雄2羽、 雌2羽の上海・浦東空港への輸送を手配したもの。

新潟空港からのトキの返還は、今回で6回目の取扱いとなった。両国政府が関与する中での輸送手配のため、書類のアレンジ、輸送経路や所要時間の確認など、関係機関と調整しながら綿密な輸送計画を組立てる必要がある。中でも気を使うのが佐渡からのフェリー輸送。欠航するとフライトの関係で翌週まで待機することになるため、過去3年間の気象データと長期予報で気象情報をチェックし、輸送日程を決定する。輸送にあたっては、隔離検疫施設で輸出前21日間以上の隔離が必要で、この間に鳥インフルエ ンザなどの伝染性疾病の検査が実施され、衛生証明書や検疫証明書などを手配する。

輸送当日は獣医師監督の下、輸送箱や運搬車両に加え、航空機搭載直前には搭載場所を消毒し、振動はもちろん、騒音や光に注意しながら、温度10℃を保って輸送。トキは、国の特別天然記念物であり、文化財保護法や種の保存法にも該当するため、極めて煩雑な 書類手続きが必要になるが、同社は関係各所と協力しながら、「日中共同トキ保護計画」を輸送面から支えていく。